内服治療

汗を止める薬はあるの?治療しにくい顔や背中の汗への対策を探している方へ。

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全身多汗症の方は

(ワキと手足は治療しているけれど、顔とか背中とか全身の汗はどうすればいいの?)と悩んでいらっしゃると方も多いと思います。

治療の選択肢としては

  1. アルミニウム入り制汗剤
  2. イオントフォレーシス
  3. 内服薬

があります。

この記事では3番めに挙げた、多汗症に対して効果がある可能性がある内服薬を説明しますね。

 

Dr. かんな
ガイドラインで見てもわかる様に、内服治療は第一選択ではありませんので、他の治療法も全部頭に入れてから、内服治療について学んでくださいね。

 

多汗症に対して薬の内服治療が適応になる方とは?

 

Dr. かんな
内服治療を考慮するのは、この様な方ですね。

 

  • 顔面の多汗症
  • 全身の多汗症
  • その他のガイドライン上の治療をしても効果がなかった方
  • 胸腔鏡的神経節切断術後の代償性発汗



多汗症の内服治療に使われる薬

 

主に使われる薬は

抗コリン剤

唯一日本で、多汗症に対して保険適応のある薬剤 臭化プロバンテリン『プロ・バンサイン錠』は抗コリン剤の一つです。

その他、オキシブチニン『ポラキス』やコハク酸ソリフェナシン『ベシケア』があります。

 

副作用

唾液腺など他の腺からの分泌も抑えるやめ、口の乾きやドライアイが起こることがあります。

また、全身の発汗を抑えることで、暑い時の体温調節に問題が起こり、熱中症を起こす可能性もあります。

こんな方は使えません

  • 閉塞隅角緑内障のある方
  • 前立腺肥大による排尿障害のある方
  • 麻痺性イレウスのある方

 

ベンゾジアゼピン系薬剤

『グランダキシン錠』は自律神経失調症の薬として使われてます。

抗コリン作用があり、緊張を緩和するため、日本では精神的発汗の治療に用いられている様です。

副作用

眠気やふらつきなどを起こすことがあります。

また、ベンゾジアゼピン系薬剤は一般に言って、依存性のできる薬です。

ごくたまに、非常に緊張する状況に使用するのは良いですが、常用しない様に注意が必要です。

Dr. かんな
日本ではとても気軽にベンゾジアゼピン系の薬が医師から処方されますが、一度常用してしまうと、止める時にも注意が必要な薬です。その事をよく頭に入れておいてください。他の選択肢があれば、それを先に試してみましょう。



漢方薬

黄耆という成分は、汗を抑制する作用があるということです。

そのためこれを主役にした漢方薬、補中益気湯、黄耆建中湯、桂枝加黄耆湯、防已黄耆湯などが多汗症に使われることがあります。

どうしても漢方薬を使いたい方は、漢方薬に詳しく、経験の豊富な医師を受診することをお勧めします。

β遮断薬

特に人前に出て緊張が強くなって、顔や体からの汗が気になる方には、β遮断薬を使うこともあります。

これは交感神経に働く薬で、普通は心臓疾患のある人に処方されます。

交感神経を抑えることで、あがった時の胸のドキドキや震えも抑えられます。

私の知っている人でも、人前でスピーチや演奏をする時に1時間ほど前にβ遮断薬を服用する人がいました。

 

Dr. かんな
内服薬は副作用も多いので、他の治療選択肢を全て試してみて、どうしても必要な場合に使用してくださいね。

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